トゥルー・クリスマス
2010/12/03 17:52
さて。今回のお話は、クリスマスにちなんだ物語。
X'mas企画をしてくださったサイト様に、提出させていただく作品です。
素敵なサイト様はこちら→雨宿り果樹園
どこか悲しいクリスマス、でもとっても華やかで楽しい一日。
そんな雰囲気を、この物語から感じていただけたら嬉しいなぁと思います//
私が書くと、凄いことになりますけど…。。
ではでは、ごゆっくり、お楽しみ下さい。
~*~*~*~*~*~*~*~
「クリスマスって……」
桐敷真実(きりしきまみ)は、呆れたようにボソッと呟いた。
真実がいるのは、普段以上にざわめきが目立っている大都市だった。そこかしこで街灯が煌き、人々が忙しなく行き交う大通りには、普段は見ない看板が光っていた。
『クリスマスのお供に、煌びやかなクロカンブッシュはいかが!?』
『ツリーの電飾の補充は今しかない!』
『一人で寂しい貴方に、耳寄りな情報を!』
「っ……!」
突然、真実は灰色のロングコートを翻して、先ほどまで歩いていた道を戻りだした。
道行く人々は、みな一様に笑い合っているばかり。真実はただ一人、苛立たしげに眉を顰めて、駆けるように歩くばかりだった。
人と人の隙間を縫うようにして、歩みと走りの中間の脚捌きで、真実は急いだ。
「く、だらないっ……!」
真実の口から漏れた、噛み締めるような、苦々しい呻き。
真実は、右手をぐっと強く握り締めた。爪が掌に食い込み、血が滲むほど、強く、強く。
憎しみと、恐怖と、絶望とが深く入り混じった真実の感情は、抑えきれずに、雰囲気にまで影響を与えるほどだった。
不穏な空気が、真実の周囲だけを取り囲む。
だがそれでも、周りの人々は、互いに笑いあう。
明けの明星が白く輝く頃、月はその妖艶な姿を世界から隠す。
闇は太陽という神に照らされて、そして世界を手放す。
建物の屋上、冷たい風が吹き付ける闇の中。
そんな幻想的な光景の中に、その少年はいた。
「あーあ……。また、この日がやってきちゃったね」
少年は、眼下に広がる、大都市の煌びやかな世界を見ていた。
眠たそうで、疲れた少年の瞳の色は、華やかさを見せびらかす世界を見ても、一筋たりとも輝かなかった。
人々が行き交い、人工的な明りが支配した、腐敗した世界。人間の五月蠅い感情が渦巻く、醜い世界。
「何時になっても、幾ら経っても。〈人間〉は変わんないんだからさー」
少年は両手を大きく広げて、嘆かわしげにそう叫んだ。
少年の声は、空気中を激しく振動させ、世界中に響いた。だがしかし、その声は、世界の誰かに届きはしなかった。
「わかんないねー。くだらない日々を過ごすなんてさー」
乾ききった笑いを洩らす少年。彼の哂いは、虚しさばかりを孕み、それ以外の感情は見当たらなかった。
彼を取り残して、しかし世界は平然と時を進め行く。
明るい光を纏った世界は、塗りつぶされた闇を見捨て行く。
「ははは……、馬鹿みたい。みんな、必死に足掻いてさ。一体、何のためだよ!?」
少年の乾いた哂いは、尚も紡がれ続ける。
終わらない、“呪い唄”。
凍てつくような冷たさを持った、意思のない風たちが、だが少年を突き刺すように吹き付けた。
少年は再び、上を、いつまでも不変に闇を広げ続ける天を仰いだ。
空は暗く、澱んでいた。濁りきった空だった。一遍の光も見えない、空だった。
暗闇、天は今も、太陽という神々しい“光”を望んでいた。
「毎回毎回……、何人もの〈人間〉が、今日この日に死んでいるのに、誰も気付かない」
少年は、先ほどまでとは打って変わって、静かな口調で言った。
諭すように、語るように。少年は、見下すような瞳で、世界を見た。
感情の欠けた、人間として重要な部分を欠落させた少年は、それでも何かを必死に考えていた。
人間ではない彼にとって、考えることは重要なことだった。
世界は光り輝いて、少年だけを闇で取り囲むかのように、屋上は、その場所だけ、世界から切り離されていた。
無音、何もない、聞こえるのは凍てついた風の音ばかり。
だが少年は、そんな世界を切り捨てるかのように、数歩前に足を踏み出して、両手を上から力強く振り下ろして、怒鳴り散らした。
「どれだけ浮き足立ってるところに、幾ら悲惨な悲劇を放り込もうとも、誰も気付かないっ!」
やはり、屋上の世界に満ちるのは、静寂。
少年の声は、一瞬の内に世界に吸収された。
「こんなもの……、くっ、だらないっ……!」
歯軋りの不愉快な音を感じながら、少年は世界を、闇をぎっと睨み付けた。
『なら、何故お前は泣く?』
静寂の水面に、一つの小石。そして水面は、波紋を広げる。
ふと、少年だけに纏っていた闇を、切り開くものがいた。
屋上の切り離された空間に、蹴破るようにして入ってきたのは、桐敷真実(きりしきまみ)だった。
「誰だっ!」
少年が声に反応して、勢い良く振り向いた。
周囲の風を切り裂いて、彼は背後を見遣った。
突然、すっと少年は、自らの首筋に冷たいものを感じた。
その途端、少年の欠落した感情が、じわりと鎌をもたげた。そしてその渦巻いた感情が行き着く先は、冷たく煮え滾るような“激情”。
「おい、〈魔の樹〉であるお前が、私を知らない?」
真実は、灰色のコートの右裾を、右手でひらりと大きく払い、少年を真っ直ぐに見据えてそう言った。
冬の風が、二人の間を凍らせるかのようにして、通り過ぎていった。
「貴様、〈魔狩人〉のトゥラストか!」
「えぇ」
冷たさを孕んだ眸で、“〈魔狩人〉のトゥラスト”こと真実は、少年を見詰めた。
何も語らない真実の瞳に魅入られたように、少年は真実から目が離せなくなっていた。
「何故、ここにっ……」
だがかじかむように、少年は言った。焦りを含んだその言葉は、今までに無く少年の感情を表していた。
真実は、真剣に真摯に、だが冷ややかに、少年と対峙していた。
「お前は、毎年この日、聖夜と呼ばれる今日に、何人もの〈人間〉を殺めているな」
真実の口から紡がれたのは、残酷にして非常な現実。真実(まみ)は、現実をぼやかすことなく、真っ直ぐに少年に伝えた。
「私は、〈魔狩人〉。真実(しんじつ)のトゥラストの異名を従える者。なれば、理由など明確に分かろう?」
だが少年にとって、今まで逃げてきた現実を突きつけられるのは、耐え難い苦痛だった。
「くっ……今まで、今までは何故!」
苦し紛れに、拳を振り上げて問うた少年。
虚しさだけが、少年の心に満ちた気がした。
冬の寒さを纏った風が、まるで少年を哂うかのように、その言葉を浚っていった。
「面倒だったから」
真実(まみ)は、表情一つ変えずに、言ってのけた。
「……はぁ?」
少年の感情が、一瞬麻痺した。
「といいたいけど、お前を捕まえるだけの【結界】が完成しなかったから」
真実は、ほんの少しだけ口元に微笑を浮かべて、言った。
真実が、右手を横に肩の高さで止めた。
すると、右手は不自然に発光し始めた。ヒュウという風が耳元で切るような音。途端、屋上がドーム状の“部屋”となった。
不自然な光を持った“線”が、屋上の淵から数え切れないほど生まれ、丁度真実の頭上で、放射線状のそれは集結、それは真実が展開した、【結界】だった。
「【結界】だとっ?」
少年は、すぐ傍で【結界】が展開されたことに驚いた。
焦りと緊張が、少年を、この“小さな世界”を満たした。
「張り巡らされた事にも気付かない、【氷結の結界】よ」
真実は、憐れむような悲しむような、慈愛の微笑みを浮かべていた。
「貴様っ」
少年は、自分が無力なことを知っていた。
〈魔の樹〉である少年だったが、少年が持つ能力(アビリティ)は、〈人間〉を喰らう事。展開された【結界】を解除することはどうしたって出来ない。
その事実、現実が、少年を酷く打ちのめした。
だが彼は、抵抗を諦めない。
「喰らってやるっ……!」
憎しみと、怒りとが全て入り混じった、裂帛の叫びと共に、少年は地面を蹴った。
真っ直ぐ、自らの直線状に、ただ悠然と立っている真実の元へ、駆け出した。
「逃がしはしない。この忌まわしき〈トゥラスト〉の名においてっ……!」
だが、真実は常に非情である。
桐敷真実(きりしきまみ)は、クリスマスが嫌いだった。
無条件に浮かれる人々、それに漬け込んで儲けようとする人々。
沢山の人々が生き抜くために、世界は矛盾していると、真実は常々思っていた。そして、クリスマスという最も大きなイベントと称されるそれこそが、世界の矛盾の象徴だとも。
「くだらない……」
真実の呟きは、ざわめく世界に、掠め取られた。
Fin.
~*~*~*~*~
~語句説明~
・〈人間〉…いわゆる人、一般の人々の総称。
・〈魔の樹〉…魔物、ケダモノ、霊、獣、そういったものの総称。
・〈魔狩人〉…〈人間〉に危害を加える〈魔の樹〉を、排除するものの総称。
・〈能力〉…アビリティ。一般に〈魔の樹〉が持つ、特異な力の総称。
・トゥラスト…桐敷真実(きりしきまみ)の異名。真実(しんじつ)という意味を持つ。
・【結界】…一般に〈魔狩人〉が使う術式。物体の貫通などを防ぐ。
・【氷結の結界】…展開されていることが気付かれにくいといわれている【結界】の一種。
・展開…術式を使うこと。術式を使役すること。
Fin.
-・-・-・-・-・-・-
【トゥルー・クリスマスの後書き】という項目が下にあります。
そこには、作者である私の解釈をかいています。
興味のある方は、下にスクロール、クリックしてご覧下さい。
管理人・天乃音羽
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どこか悲しいクリスマス、でもとっても華やかで楽しい一日。
そんな雰囲気を、この物語から感じていただけたら嬉しいなぁと思います//
私が書くと、凄いことになりますけど…。。
ではでは、ごゆっくり、お楽しみ下さい。
~*~*~*~*~*~*~*~
「クリスマスって……」
桐敷真実(きりしきまみ)は、呆れたようにボソッと呟いた。
真実がいるのは、普段以上にざわめきが目立っている大都市だった。そこかしこで街灯が煌き、人々が忙しなく行き交う大通りには、普段は見ない看板が光っていた。
『クリスマスのお供に、煌びやかなクロカンブッシュはいかが!?』
『ツリーの電飾の補充は今しかない!』
『一人で寂しい貴方に、耳寄りな情報を!』
「っ……!」
突然、真実は灰色のロングコートを翻して、先ほどまで歩いていた道を戻りだした。
道行く人々は、みな一様に笑い合っているばかり。真実はただ一人、苛立たしげに眉を顰めて、駆けるように歩くばかりだった。
人と人の隙間を縫うようにして、歩みと走りの中間の脚捌きで、真実は急いだ。
「く、だらないっ……!」
真実の口から漏れた、噛み締めるような、苦々しい呻き。
真実は、右手をぐっと強く握り締めた。爪が掌に食い込み、血が滲むほど、強く、強く。
憎しみと、恐怖と、絶望とが深く入り混じった真実の感情は、抑えきれずに、雰囲気にまで影響を与えるほどだった。
不穏な空気が、真実の周囲だけを取り囲む。
だがそれでも、周りの人々は、互いに笑いあう。
明けの明星が白く輝く頃、月はその妖艶な姿を世界から隠す。
闇は太陽という神に照らされて、そして世界を手放す。
建物の屋上、冷たい風が吹き付ける闇の中。
そんな幻想的な光景の中に、その少年はいた。
「あーあ……。また、この日がやってきちゃったね」
少年は、眼下に広がる、大都市の煌びやかな世界を見ていた。
眠たそうで、疲れた少年の瞳の色は、華やかさを見せびらかす世界を見ても、一筋たりとも輝かなかった。
人々が行き交い、人工的な明りが支配した、腐敗した世界。人間の五月蠅い感情が渦巻く、醜い世界。
「何時になっても、幾ら経っても。〈人間〉は変わんないんだからさー」
少年は両手を大きく広げて、嘆かわしげにそう叫んだ。
少年の声は、空気中を激しく振動させ、世界中に響いた。だがしかし、その声は、世界の誰かに届きはしなかった。
「わかんないねー。くだらない日々を過ごすなんてさー」
乾ききった笑いを洩らす少年。彼の哂いは、虚しさばかりを孕み、それ以外の感情は見当たらなかった。
彼を取り残して、しかし世界は平然と時を進め行く。
明るい光を纏った世界は、塗りつぶされた闇を見捨て行く。
「ははは……、馬鹿みたい。みんな、必死に足掻いてさ。一体、何のためだよ!?」
少年の乾いた哂いは、尚も紡がれ続ける。
終わらない、“呪い唄”。
凍てつくような冷たさを持った、意思のない風たちが、だが少年を突き刺すように吹き付けた。
少年は再び、上を、いつまでも不変に闇を広げ続ける天を仰いだ。
空は暗く、澱んでいた。濁りきった空だった。一遍の光も見えない、空だった。
暗闇、天は今も、太陽という神々しい“光”を望んでいた。
「毎回毎回……、何人もの〈人間〉が、今日この日に死んでいるのに、誰も気付かない」
少年は、先ほどまでとは打って変わって、静かな口調で言った。
諭すように、語るように。少年は、見下すような瞳で、世界を見た。
感情の欠けた、人間として重要な部分を欠落させた少年は、それでも何かを必死に考えていた。
人間ではない彼にとって、考えることは重要なことだった。
世界は光り輝いて、少年だけを闇で取り囲むかのように、屋上は、その場所だけ、世界から切り離されていた。
無音、何もない、聞こえるのは凍てついた風の音ばかり。
だが少年は、そんな世界を切り捨てるかのように、数歩前に足を踏み出して、両手を上から力強く振り下ろして、怒鳴り散らした。
「どれだけ浮き足立ってるところに、幾ら悲惨な悲劇を放り込もうとも、誰も気付かないっ!」
やはり、屋上の世界に満ちるのは、静寂。
少年の声は、一瞬の内に世界に吸収された。
「こんなもの……、くっ、だらないっ……!」
歯軋りの不愉快な音を感じながら、少年は世界を、闇をぎっと睨み付けた。
『なら、何故お前は泣く?』
静寂の水面に、一つの小石。そして水面は、波紋を広げる。
ふと、少年だけに纏っていた闇を、切り開くものがいた。
屋上の切り離された空間に、蹴破るようにして入ってきたのは、桐敷真実(きりしきまみ)だった。
「誰だっ!」
少年が声に反応して、勢い良く振り向いた。
周囲の風を切り裂いて、彼は背後を見遣った。
突然、すっと少年は、自らの首筋に冷たいものを感じた。
その途端、少年の欠落した感情が、じわりと鎌をもたげた。そしてその渦巻いた感情が行き着く先は、冷たく煮え滾るような“激情”。
「おい、〈魔の樹〉であるお前が、私を知らない?」
真実は、灰色のコートの右裾を、右手でひらりと大きく払い、少年を真っ直ぐに見据えてそう言った。
冬の風が、二人の間を凍らせるかのようにして、通り過ぎていった。
「貴様、〈魔狩人〉のトゥラストか!」
「えぇ」
冷たさを孕んだ眸で、“〈魔狩人〉のトゥラスト”こと真実は、少年を見詰めた。
何も語らない真実の瞳に魅入られたように、少年は真実から目が離せなくなっていた。
「何故、ここにっ……」
だがかじかむように、少年は言った。焦りを含んだその言葉は、今までに無く少年の感情を表していた。
真実は、真剣に真摯に、だが冷ややかに、少年と対峙していた。
「お前は、毎年この日、聖夜と呼ばれる今日に、何人もの〈人間〉を殺めているな」
真実の口から紡がれたのは、残酷にして非常な現実。真実(まみ)は、現実をぼやかすことなく、真っ直ぐに少年に伝えた。
「私は、〈魔狩人〉。真実(しんじつ)のトゥラストの異名を従える者。なれば、理由など明確に分かろう?」
だが少年にとって、今まで逃げてきた現実を突きつけられるのは、耐え難い苦痛だった。
「くっ……今まで、今までは何故!」
苦し紛れに、拳を振り上げて問うた少年。
虚しさだけが、少年の心に満ちた気がした。
冬の寒さを纏った風が、まるで少年を哂うかのように、その言葉を浚っていった。
「面倒だったから」
真実(まみ)は、表情一つ変えずに、言ってのけた。
「……はぁ?」
少年の感情が、一瞬麻痺した。
「といいたいけど、お前を捕まえるだけの【結界】が完成しなかったから」
真実は、ほんの少しだけ口元に微笑を浮かべて、言った。
真実が、右手を横に肩の高さで止めた。
すると、右手は不自然に発光し始めた。ヒュウという風が耳元で切るような音。途端、屋上がドーム状の“部屋”となった。
不自然な光を持った“線”が、屋上の淵から数え切れないほど生まれ、丁度真実の頭上で、放射線状のそれは集結、それは真実が展開した、【結界】だった。
「【結界】だとっ?」
少年は、すぐ傍で【結界】が展開されたことに驚いた。
焦りと緊張が、少年を、この“小さな世界”を満たした。
「張り巡らされた事にも気付かない、【氷結の結界】よ」
真実は、憐れむような悲しむような、慈愛の微笑みを浮かべていた。
「貴様っ」
少年は、自分が無力なことを知っていた。
〈魔の樹〉である少年だったが、少年が持つ能力(アビリティ)は、〈人間〉を喰らう事。展開された【結界】を解除することはどうしたって出来ない。
その事実、現実が、少年を酷く打ちのめした。
だが彼は、抵抗を諦めない。
「喰らってやるっ……!」
憎しみと、怒りとが全て入り混じった、裂帛の叫びと共に、少年は地面を蹴った。
真っ直ぐ、自らの直線状に、ただ悠然と立っている真実の元へ、駆け出した。
「逃がしはしない。この忌まわしき〈トゥラスト〉の名においてっ……!」
だが、真実は常に非情である。
桐敷真実(きりしきまみ)は、クリスマスが嫌いだった。
無条件に浮かれる人々、それに漬け込んで儲けようとする人々。
沢山の人々が生き抜くために、世界は矛盾していると、真実は常々思っていた。そして、クリスマスという最も大きなイベントと称されるそれこそが、世界の矛盾の象徴だとも。
「くだらない……」
真実の呟きは、ざわめく世界に、掠め取られた。
Fin.
~*~*~*~*~
~語句説明~
・〈人間〉…いわゆる人、一般の人々の総称。
・〈魔の樹〉…魔物、ケダモノ、霊、獣、そういったものの総称。
・〈魔狩人〉…〈人間〉に危害を加える〈魔の樹〉を、排除するものの総称。
・〈能力〉…アビリティ。一般に〈魔の樹〉が持つ、特異な力の総称。
・トゥラスト…桐敷真実(きりしきまみ)の異名。真実(しんじつ)という意味を持つ。
・【結界】…一般に〈魔狩人〉が使う術式。物体の貫通などを防ぐ。
・【氷結の結界】…展開されていることが気付かれにくいといわれている【結界】の一種。
・展開…術式を使うこと。術式を使役すること。
Fin.
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そこには、作者である私の解釈をかいています。
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管理人・天乃音羽
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